倫理綱領

マネジメント関係資格称号自主規制の検討過程で焦点の一つとなった、マネジメント関係団体の倫理問題に対して全能連では、1985年(昭和60年)に倫理規定委員会を設置し、「全能連加盟団体として遵守すべき倫理規定」の作成に着手しました。翌1986年(昭和61年)に、倫理綱領および基本綱領、行動基準を制定し、新たに発足させた倫理委員会が、倫理綱領等の履行状況を把握するものとしています。

倫理綱領

公益社団法人 全日本能率連盟は、経営管理の普及ならびに向上を目的とする専門団体の連合体であり、わが国唯一の業界団体として今日まで産業界の発展のために微力を尽くしてきた。

われわれは、会員の活動が本来「倫理職業」、すなわち高い倫理観を必要とする職業であることを再認識し、与えられた使命と社会的責任を全うして広く産業社会において信頼を得るためにこの綱領を定める。

基本綱領

  1. 人に対する信頼を高める。
    高い行動倫理を保ち、公益に奉仕する精神を旨とする。
  2. プロセスに対する信頼を高める。
    より高度かつ有効な技術の開発に努め、常に能力開発に努める。
  3. 成果に対する信頼を高める。
    高い水準のサービスを提供する。

行動基準

公益社団法人 全日本能率連盟の会員は、倫理綱領の精神を汲み取り、「一般公開事業」における行動基準及び「コンサルテーション」における行動基準をガイドラインとして、自らの責任において行動基準を制定しこれを遵守する。

既に制定されているものは、これを機に見直し、倫理綱領の趣旨にそって必要あれば改定をする。

公益社団法人 全日本能率連盟は、倫理綱領に違背する会員に対しては、定款の規定に基づきこれを処分する。

[行動基準 その1]
「一般公開事業」における行動基準
  1. 公益に奉仕する精神を旨とし、反社会的行動や公序良俗に反する行為をしない。
  2. 事業内容・カリキュラム内容などを正しく伝えることを心がけ、誇大な広告・宣伝・売り込みをしない。
  3. 高い水準のサービスを提供することに努め、内容に見合った料金を請求する。
  4. 許可・認可などを得ずに官公庁名を宣伝・広告に使わない。
  5. 資格付与事業を行う際に、法令に基づく資格と誤解されるような表現をしない。資格称号の法制化について軽率な記述・口述をしない。
  6. 資格の取得者がこれをもって高額収入を得るとか、また安易に再就職などの道につながるごとき宣伝・広告をしない。
  7. 無理な会員勧誘や登録の強制をしない。強制的な物品販売をしない。
  8. 常に経営管理の専門団体としてふさわしい行動をする。

*「一般公開事業」とは、不特定多数を対象とするセミナー、講習会、講演会、研究会、シンポジウム、通信教育などを指す。

 
[行動基準 その2]
「コンサルテーション」における行動基準
  1. 高度かつ有効な技術の開発と能力開発に努め、適格者を派遣し、確信ある業務だけを受託する。
  2. 依頼者の秘密を守る。
  3. 競合関係にある複数企業・事業体から同時に診断・指導を受託する際は、事前に双方の了解を得てから受託する。
  4. 受託する業務の目的・範囲・実施方法・期間・費用等を事前に明確にする。
  5. 高い水準のサービスを提供することに努め、内容に見合った料金を請求する。
  6. 能力・規模・経歴・実績などを正しく伝えることを心がけ、誇大な宣伝による受注活動を行わない。
  7. 同業団体に対しては、その立場を尊重し、いわれなき誹謗・中傷をしない。
  8. 独自技術の開発に努め、他者の独自開発技術・オリジナリティーを尊重する。
  9. 常に経営管理の専門団体としてふさわしい行動をする。

*ここでいう「コンサルテーション」とは、診断、指導、調査受託、教育受託などを指す。

制定:昭和61年6月11日